日曜日の朝

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記憶による自責と昔の愛情で食いつなぐさもしさ

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「なにか言われたときに言い訳してしまうのは防衛本能」
あるラジオでの発言に首がもげるほど頷いた。完全にそう。圧倒的納得。
学生のころにしてしまった嫌な言動を、去年の12月からひどいくらい思い出す。少し病的なほど。「しくじり先生」をなんの含蓄も観客もなくやっている。12月頭は大河さんが入院していたこともあって、寝つけない夜中はたいてい「あの発言は完全に失礼だった」「いっそ派手に怒られておきたかった(怒られたら怒られたでそれを引きずるくせに)」など悶々とした時間をすごす。
 
なんなら正確には「思い出し」てはいない。
嫌な記憶は薄いベールになって脳全体を包んでいて、だから基本的にずっとほんのり考えている。楽しいことをしているときや何かに集中しているときだけ見えなくなる。
だから「思い出し」てはない。思い出すには一度忘れないといけないから。そこが定位置であるかのごとく、銅像のごとく、ずっとある。
当然楽しい時間ではない。早く眠りたいし、忘れたい。ただ繰り返し思い出すことによって記憶を定着させていくスタイルの脳に、あのような時間は逆効果なのだ。
「お前はこれほど子どもで、わがままで、他人に何ひとつ配慮できない愚かな人間だ」
「このような程度の低い言動でしてやったりとどや顔をしている浅薄な生き物め」
子守歌のように何度もなんども聞かされる。忘れたいのに常に脳の中にあるから「うわ~ッ、私は愚かな人間!」とへこんでしまう。不毛だ。不毛と聞くと二毛作が自動で思い出されるのももうどうしようもない。脳も1回焼いたら記憶はまっさらになるのか?
 
常に視界の端に嫌な記憶がある。1ヶ月くらいずっとこの状態。実際はもっと長い間そうでいろんな嫌な記憶を順繰りに見せられている。嫌な記憶の選抜メンバーがシーズンごとに変わっているらしく、今の面子になってからは1ヶ月ほど。
この状態が完全な純度100%の悪かと聞かれるとそこまでではない。成長しどきなんだな、と最近は考えている。昔の自分の言動のおかしさがわかるようになっている。いいこと。
 
今の選抜メンバーは何かを言われて言い返した記憶たち。何か望まないものを断るシーンが多かった。
反射的で理性がなく、不必要に相手を下げて傷つけようとした返事。普通に噛みつけばいいのに「私の方が上なんだぞ」アピールしたさにうまいことや難しいことを言おうとしている。まさに「なにか言われたときに言い訳してしまうのは防衛本能」をやっていた。
事情を話して素直に断るなり、嘘でもありがちな理由で穏便に断るなりすればいいのに一捻り加えようとしておかしなことになっている。相手を傷つけたり不愉快にさせるメリットなんてないし、余計こじれて面倒なことになる可能性だって高い。
そういう返事をしてきて大きなトラブルにならなかったのは相手が理性的で成熟していたからだろう。自分のターンに持っていって噛みつき返すこともできただろうに、こちらのターンで終わらせてくれた。そんなことに今まで気づけないとは情けない。まわりの人にはずいぶん助けてもらってきた。
この歳になって思うのは「人間素直が一番」ということ。本当に。人に噛みつかず、穏やかに生きていきたい。
さいころは大変な癇癪持ちで、嫌なことがあるとそこからてこでも動かなかった。親も苦労しただろうな。今ではさすがにその場から動かないなんてことはないけど、嫌なことには弱いし怒るときは烈火のごとく燃える。怒らないようメンタルを整えると同時にそういう場面に遭遇しないようにしたい。人生を乗りこなしていきたい。
 
この面子は前は昔の男関連だった。
ありがたくも告白してくれた人のことや、そこまではいかなかったけど結構傾いてきてるな、という人のこと。
愛されるのが好きで、向けられる好意は強ければ強いほど嬉しい。
狭い経験則で、毎日のように連絡を続けてなおかつ会おうと誘うには、根底に恋愛的好意が必要だと思っている。もちろん友情でもありうることは知っている。けど連絡の頻度は恋愛的好意がある方が友情よりも多い。とくに付き合いたいと思っている相手には。
自分のことを好きな男のことはわかるもので、そのときの向こうの言動の記憶が脳を占めていた。異性からのアプローチはどうしても気持ちがいい。こっちの言動でやきもきしたり喜んだりする様子は見ていて楽しい。しかも最終的に振るから自分は一切傷を負わない、強い熱量で好かれていただけ。脳内麻薬に近くて危ない記憶。これも防衛本能のひとつなんだろうな。
扱いは武勇伝に近いのかもしれない。自分の全盛期を思い出して余韻に浸り、愛されていた過去に安心している。だとしたらやってることは老害ムーブなのではないか? ぞっとしないねえ。誰かにしゃべってないだけましか。でもこれずっと続けてたら認知症になったとき絶対言うよなあ、まじで怖いな。
私は私を愛しているけど、どうしてもたまに自信をなくしてしまう。正直よくなくす。でもそういうときに頼るのが今の自分じゃなくて過去に他人からもらった記憶なのはあんまりかっこよくない。自分の感情のコントロールを、過去に任せてしまっている。
過去の力を借りること自体はいいことだ。でもせめて1回くらいは今の自分でコントロールできないかやってみる方がいい。最初から今の自分には手に負えないと諦めちゃってる上に、すがる内容がアップデートされていない。これはかっこよくない。種類も増えてないし、お決まりの記憶に頼っているだけ。使用期限が切れて効果のない薬を服用しているみたい。単純に発展がない。
決めてすぐに今の自分の感情をコントロールできるようになるわけではないけど、楽しい記憶を増やして、少しずつ自分の愛情で立てるようになりたいな。
 
おしまい